この絵図は、嘉永6年(1853)に小田原を震源とする相模国の大地震発生の後に発行されたいわゆる「瓦版」(新聞)で、刷り上りの出来栄えから見ると、速報として急ぎ作られた粗雑な瓦版とは違い、やや時間をおいて丁寧に作られたものと見られます。被害状況にも大火や大津波の情報が示され、さらには、地震発生時のイラストレーションが描かれており、倒壊した家屋から命からがら逃げ出す人や、地割れの起きる中、地べたに敷いた戸板に乗ってうろたえる人などの様子が活写されていて、当時の人々のパニックの状況が臨場感をもって伝わってきます。