元禄3年(1690)
絵図製作者として活躍していた遠近道印が(1620‐?)が作成した原図を基にして、絵師の菱川師宣が街道の風景を描いて、完成させた分間図です。分間(ぶんけん)とは測量するという意味で、測量に基づいて、縮尺して描かれています。
本分間図は、東海道の宿駅間の距離や沿道の寺社、川の渡り方、茶屋や各地の名物などを載せた、縮尺が正確な道中案内記でもあり、見て楽しめる街道絵図として、何度も再版されました。元禄3年版は、大阪新和泉町の版元七郎兵衛により刊行されました。
菱川師宣は、一枚絵の浮世絵版画の確立者で、「見返り美人図」などの肉筆、版本挿絵などを数多く描きました。