お釜かま

ごはんを炊たくためのお釜かまは鉄てつやアルミでできていて、胴どうの部分ぶぶんには帽子ぼうしのつばのような羽根はねがついていました。この羽根はねがついたお釜かまは「羽釜はがま」といいます。
お釜かまのふたは厚あつく重おもい木きの板いたでできています。どうしてこのような形かたちをしているのでしょう？お釜かまが特別とくべつな形かたちをしている理由りゆうは、かまどにのせて使つかうためです。
かまどとは石いしや土つちでつくった火ひを燃もやす場所ばしょです。みなさんの家いえではIHクッキングヒーターや、ガスコンロで火ひを起おこして調理ちょうりをしていると思おもいますが、昔むかしはガスコンロなどがなかったので、まきを使つかって火ひを起おこしてから調理ちょうりをしていました。そのため、かまどにはまきを入いれて火ひをつけるたき口ぐちと、お釜かまをのせる丸まるい穴あなが開あけられています。

かまど（組くみ立たて式しき）

これは組くみ立たて式しきのかまどです。かまどの上うえの穴あなにお釜かまの底そこを入いれると、お釜かまがすっぽりとはまるようになっています。すっぽりお釜かまがはまるため、下したで燃もやしているまきの火ひの熱ねつを逃にがさないという特性とくせいがあります。また、お釜かまのふたはすごく重おもたくなっています。重おもたいものをのせると、蒸気じょうきが押おさえつけられ、お米こめに熱ねつが入はいりやすくなります。

かまど（大釜おおがま）

これもかまどです。とても大おおきなお釜かまがのっていますが、これはごはんを炊たいているわけではありません！これは大釜おおがまといって、お正月しょうがつのもちつきのときに、もち米こめをたくさんふかしたり、みそを作つくるのに必要ひつような大量たいりょうのだいずを煮にるために使用しようされていました。

おひつ

炊たきあがったごはんはお釜かまの中なかに入いれたままにせず、さわらや杉すぎの木きの板いたで作つくった「おひつ」に入いれて食卓しょくたくに並ならんでいました。旅館りょかんなどで食事しょくじのとき、おひつに入いれられたごはんを目めにするかもしれませんね！

おなべ

左ひだりの写真しゃしんは昔むかしのおなべです。みなさんの家いえにあるなべと少すこし違ちがうような気きがしませんか？一番いちばん大おおきな違ちがいは「つる」がついていることです。つるとはなべの持もち手てのような部分ぶぶんのことです。なぜ、つるがついているのでしょうか？その理由りゆうは昔むかしのなべの温あたため方かたと関係かんけいがあります。

じざいかぎとなべ、いろり

左ひだりの写真しゃしんはなんだかわかりますか？これは「いろり」です。
今いまから100年ねんほど前まえ、農家のうかの人ひとたちは冬ふゆの夜よる、いろりの火ひになべをかけて食事しょくじをしたり、火ひを明あかりにして手仕事てしごとをしていました。いろりは炭すみや竹たけを使つかって火ひを起おこして使つかうのですが、火ひがむき出だしになっています。いろりにはコンロのようなものがないため、上うえからなべをつるす形かたちで火ひにかけていました。なべを上うえからつるすときに使つかった道具どうぐを「じざいかぎ」と言いいます。このじざいかぎを使つかって、おなべでぞうすいやうどんをつくったり、「やきびん」というおやつを作つくったりしていました。