みなさんが家で見かける「炊飯器」「お鍋」といった生活道具と、みなさんのおじいさん・おばあさんが小学生くらいだったときの生活道具は少し異なっていました。ではどんなものが使われていたのでしょうか。一緒に調べていきましょう!
どうやってお米を炊いていたの?
家庭科の授業やお家の人のお手伝いでごはんを炊いたことはありますよね?ごはんを炊くとき電気釜、ガス窯を使って炊くのが一般的だと思います。お米を研いで、炊飯器にお米を入れてスタートのスイッチを押す。そしてピーっと音がしたら出来上がり!というのがごはんが炊き上がるまでの流れです。
電気釜やガス窯が普及したのはちょうどみなさんのおじいさん、おばあさんが小学生だったころ。それ以前は「お釜」が使われていました。
かまどの特徴を調べてみよう!
お釜
ごはんを炊くためのお釜は鉄やアルミでできていて、胴の部分には帽子のつばのような羽根がついていました。この羽根がついたお釜は「羽釜」といいます。
お釜のふたは厚く重い木の板でできています。どうしてこのような形をしているのでしょう?お釜が特別な形をしている理由は、かまどにのせて使うためです。
かまどとは石や土でつくった火を燃やす場所です。みなさんの家ではIHクッキングヒーターや、ガスコンロで火を起こして調理をしていると思いますが、昔はガスコンロなどがなかったので、まきを使って火を起こしてから調理をしていました。そのため、かまどにはまきを入れて火をつけるたき口と、お釜をのせる丸い穴が開けられています。
かまど(組み立て式)
これは組み立て式のかまどです。かまどの上の穴にお釜の底を入れると、お釜がすっぽりとはまるようになっています。すっぽりお釜がはまるため、下で燃やしているまきの火の熱を逃さないという特性があります。また、お釜のふたはすごく重たくなっています。重たいものをのせると、蒸気が押さえつけられ、お米に熱が入りやすくなります。
かまど(大釜)
これもかまどです。とても大きなお釜がのっていますが、これはごはんを炊いているわけではありません!これは大釜といって、お正月のもちつきのときに、もち米をたくさんふかしたり、みそを作るのに必要な大量のだいずを煮るために使用されていました。
おひつ
炊きあがったごはんはお釜の中に入れたままにせず、さわらや杉の木の板で作った「おひつ」に入れて食卓に並んでいました。旅館などで食事のとき、おひつに入れられたごはんを目にするかもしれませんね!
昔のなべは変わった形をしている?
おなべ
左の写真は昔のおなべです。みなさんの家にあるなべと少し違うような気がしませんか?一番大きな違いは「つる」がついていることです。つるとはなべの持ち手のような部分のことです。なぜ、つるがついているのでしょうか?その理由は昔のなべの温め方と関係があります。
じざいかぎとなべ、いろり
左の写真はなんだかわかりますか?これは「いろり」です。
今から100年ほど前、農家の人たちは冬の夜、いろりの火になべをかけて食事をしたり、火を明りにして手仕事をしていました。いろりは炭や竹を使って火を起こして使うのですが、火がむき出しになっています。いろりにはコンロのようなものがないため、上からなべをつるす形で火にかけていました。なべを上からつるすときに使った道具を「じざいかぎ」と言います。このじざいかぎを使って、おなべでぞうすいやうどんをつくったり、「やきびん」というおやつを作ったりしていました。
ひばちについて調べてみよう!
みなさんはひばちを見たことがありますか?
ひばちとは、陶磁器や金属・木材でできた器具で、炭を燃やして使用します。約50年前までは、家の中でからだを暖める道具として使用されたり、お湯をわかしたり、おもちやパンを焼いたりと、簡単な調理をする道具として使用されていました。
ただ、ひばちは火を起こしてもエアコンのように部屋全体が温かくなるのではありません。また、炭が燃える際に一酸化炭素が発生するため、換気をしながら使用しなければなりませんでした。そのため、50年前からはひばちよりあたたかい灯油やガスのストーブを使用するように人々の生活が変わっていきました。
火のまわりの道具を調べてみよう!
ひばちで火おこしをするときに使用する道具はいくつかあります。一緒に見ていきましょう。
火ばし
炭を継ぎ足したり、炭についた火を調整したりするときに使用する道具で、長さが25センチから40センチほどあります。
灰ならし
ひばちの中のごみをすくいあげたり、灰の表面を整えたりする道具です。
五徳
炭を継ぎ足したり、炭についた火を調整したりするときに使用する道具で、長さが25センチから40センチほどあります。
炭
燃料として使用されていました。炭には炎やけむりがでないというメリットがあります。
火おこし
底が金網になっていて「おなべ」のような形をしています。かまどなどの火を炭にうつす道具として使用されていました。
じゅうのう
ちりとりのような形をしています。灰を片付ける道具として使用されていました。
台十能
火消しつぼ
ひばちの中のごみをすくいあげたり、灰の表面を整えたりする道具です。
もっと調べてみよう!
江戸時代の家を見に行こう
藤沢市にある新林公園には、江戸時代に建てられ、1983年に移築された古民家 旧 小池邸があります。旧 小池邸は市指定重要文化財となっています。
外観だけでなく家の中に入って、昔の家のつくりや様子を見学することができますのでぜひ行ってみましょう!