資料名 |
東海道五十三次之内 小田原箱根間 曽我の里 鯰坊主(二代目坂東彦左衛門) |
作者 |
歌川国貞(三代 豊国) |
時代 |
日本 江戸 |
解説 |
鯰坊主は、演目『暫』に登場する鹿島入道の通称です。「鯰隈」と呼ばれる隈取で、もみあげから長い毛を垂らした姿に加え、蛸が大きくあしらわれた着物は、見る者に大きなインパクトを与えます。鯰坊主は、敵役でありながら、道化の要素も併せ持つ「半道敵」という役割を担っています。 『暫』は、「歌舞伎十八番」の1つに数えられています。歌舞伎十八番とは、七代目市川団十郎が江戸時代に定めた「成田屋のお家芸」のことです。 この作品は背景に小田原の酒匂川が夜の風景で描かれ、手前には『箱根霊験躄仇討』の主人公、飯沼勝五郎が描かれています。 飯沼勝五郎は妻の初花と共に敵討ちの旅に出ますが、病に蝕まれ、足が動かなくなってしまいます。 この作品でも、勝五郎は病鉢巻(病気の時に巻く紫の布)を巻き、竹棒をついた様子で描かれています。勝五郎は小田原の次の宿である箱根で復活します。 これは『役者見立東海道五十三駅』というシリーズです。 このシリーズは、全部で一四〇点確認されています。 作者は三代豊国、とても人気の高かった絵師です。 背景には宿場の風景が描かれており、手前の人物は、宿場と関わりのある歌舞伎の登場人物です。 また人物は、有名な役者の似顔絵で描かれています 。 |
サイズ |
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分類 |
浮世絵 |
資料番号 |
10736 |