資料名 |
江島記行 俎岩 |
作者 |
魚屋北渓 |
時代 |
日本 江戸 天保 |
解説 |
角判摺物縦1枚 縦21.0 横17.9 制作時期:天保初期。板元印なし 俎岩そのものは描かず、江の島名物の鮑と、曲げ物(木で作った入れもの)に入った鮑の粕漬(酒のしぼりかすで味付けする漬物)でその土地が表現されています。そして鮑の間には煙管、手前の赤い物は火を起こす際に用いる火打ち金と思われます。 煙管(パイプ)の雁首(吐き出し)といった金属部を描いた箇所には効果的に銀泥が施されており、また鮑に付着している小さな貝に空押し(Embos)がなされているなど、細かい所まで手が込んだつくりとなっています。 江島記行は朱印で十六番続とあり、全て16枚発行されたと思われますが、確認出来たのは14枚です。すなわち「高輪ふり出し」「鮫州」「大森」「蒲田」「六郷」「鶴見」「神奈川」「浜川」「下宮」「上宮」「本宮」「兒ヶ淵(稚児ヶ淵)」「俎岩」「竜洞」です。いずれも、いくつかの狂歌が挿入されています。この作品には俎岩そのものは描かれていませんが、江の島名物の鮑と曲げ物に入ったその粕漬、そして煙草入と思われるものが描かれているだけです。しかし、この絵はそこここに銀泥が施されてきらぴやかな作品になっています。すなわち煙管の吸口、雁金の部分に空摺りと銀泥、また鮑に付着している小さな貝に空押しがなされているのも、細かい所まで神経が行き届いていて興味深いものです。 |
サイズ |
角判摺物縦1枚 縦21.0 横17.9 |
分類 |
浮世絵 その他 戯画・判じ物 |
資料番号 |
10015 |