日本三大敵討ちのひとつといわれる『仮名手本忠臣蔵』の登場人物が描かれています。役者の似顔は戸無瀬(No.29)が三代目嵐璃寛で小浪(No.30)が三代目岩井粂三郎です。
小浪は塩冶判官の家老大星由良助の息子力弥と許嫁ですが、塩冶家のお取り潰しによって婚約が破棄されそうになります。小波の義理の母である戸無瀬と小浪は縁談を進めるため鎌倉から大星家がいる京都の山科へ向かいます。
No.29とNo.30は背景が続きになっています。背景には当時の吉原宿の松並木や富士山が描かれています。吉原宿は現在の静岡県富士市で、京に向かう途中、道が湾曲してそれまで右手に見えていた富士山が左手に見えることから「左富士」と呼ばれる景勝地でした。