製作時期:天保14年(1843)~弘化4年(1847)。
板元:伊場仙(伊場屋仙三郎)
富士川は富士山の西部を流れる大河で、源頼朝と平維盛がこの川を挟んで対峙した「富士川の戦い」の舞台です。この戦いにおいて、源氏の大軍を迎えた平家方は士気が上がらぬまま夜を迎えます。
夜中に、富士川の水鳥が一斉にはばたいたことにより、この羽音を源氏の急襲だと勘違いした平家軍は一斉に敗走を始めました。本作には逃げ惑う平家軍の様子が描かれています。
このシリーズは、初代広重、三代豊国、国芳の3人の当時代表的人気浮世絵師が分担して描いたものです。
風景は少なく人物を主とし、下3分の2が画面で、それぞれの宿にちなんだ伝説、史跡、著名な出来事等を描き、上3分の1に下の絵の説明がなされています。