製作時期:天保14年(1843)~弘化4年(1847)。
板元:伊勢屋市兵衛
落雷や荒れる波の表現がダイナミックに描かれた本作には、平塚にある「馬入川」の名の由来に関わる伝説が記されています。
詞書を読むと「建久9年(1198)の12月、稲毛三郎が相模川に(亡き妻のために作った橋の)橋供養(橋が完成した時におこなう儀式)を行った。
源頼朝もそれに参列したが、その際の落雷により乗っていた馬 が川へ入り死んでしまった。これにより馬入川と呼ばれるようになった。」という内容になっています。
このシリーズは、初代広重、三代豊国、国芳の3人の当時代表的人気浮世絵師が分担して描いたものです。風景は少なく人物を主とし、下3分の2が画面で、それぞれの宿にちなんだ伝説、史跡、著名な出来事等を描き、上3分の1に下の絵の説明がなされています。