制作時期:天保3年(1832)。
板元:藤岡屋彦太郎、
松原堂 この本朝名所シリーズも全部で15点あり、1「天橋立」、2「遠州秋葉山」、3「大阪天保山」、4「薩摩富士」、5「三州鳳来寺行者越」、6「信州更科田毎之月」、7「駿州清見が関」、8「駿州冨士川渡船之図」、9「摂州住吉出見之浜」、10「摂州布引之滝」、11「相州江ノ嶋岩屋之図」、12「相州七里ヶ浜」、13「箱根湯治場之図」、14「播州舞子之浜」、15「武州金沢八景」です。制作年代には多少のずれがあり、この作品は天保3年頃の作とされています。
この作品は中でも出色の一つとされ、岩屋にいる人物に襲いかかろうとする大波が、大胆でダイナミックな構図の中心をなしています。事実、岩屋へ向う道は大波のためにしばしば通行止めになったといわれます。また、これと色ちがいの作品も存在しています。