製作時期:安政2年(1855)。
板元:蔦屋吉蔵
桑名宿と宮宿をつなぐ「海上七里の渡し」は東海道中で唯一の海路であり、七里(約28km)を四時間かけての航路でした。
この画では、航路を進む渡し船を手前に大きく描き、船上で旅人が思い思いにくつろいでる様子がみえます。
右手前の小舟は物売船で、渡し船の乗客を相手に小料理などを販売していました。
このシリーズが竪型版であるため、一般に竪絵東海道と呼ばれ、広重晩年(59才)の作品です。
広重の東海道ものは大体において、横型の風景画が多いなかで、竪型物もいくつかあります。この名所図会シリーズではほとんどの宿が鳥瞰図で描かれ、町並み等に遠近法を用い、横判では見られない雰囲気をかもし出しています。