平成(へいせい)4年(ねん)(1992)2月1日(がつついたち)指定(してい)／浄土院(じょうどいん)の歴代住職(れきだいじゅうしょく)の墓碑(ぼひ)は9基(き)あり、その内(うち)の5基(き)が筆子塚(ふでこづか)です。江戸時代(えどじだい)の慣習(かんしゅう)として、寺(てら)の住職(じゅうしょく)の専住(せんじゅう)は稀(まれ)で転住(てんじゅう)を繰(く)り返(かえ)し、当寺(とうじ)で亡(な)くなった住職(じゅうしょく)のみが葬(ほうむ)られました。寛政(かんせい)9年(ねん)（1797）に没(ぼっ)した輪誉(りんよ)から25世勲誉(せいくんよ)までの約半世紀(やくはんせいき)、5代(だい)にわたって寺子屋(てらこや)が継続(けいぞく)されたのは珍(めずら)しいことです。筆子塚(ふでこづか)とは、江戸時代(えどじだい)、寺子屋(てらこや)で学(まな)んだ幼童(ようどう)(筆子(ふでこ))が、師(し)の報恩(ほうおん)のために墓碑(ぼひ)を建(た)てて供養(くよう)したものです。寺子屋教育(てらこやきょういく)は社会奉仕(しゃかいほうし)の一(ひと)つであると同時(どうじ)に、住職(じゅうしょく)の生活費(せいかつひ)にあてる目的(もくてき)もあったようです。所在(しょざい)・所管(しょかん)：菖蒲沢(しょうぶさわ)・浄土院(じょうどいん)

平成(へいせい)4年(ねん)(1992)2月1日(がつついたち)指定(してい)／江戸前期(えどぜんき)の開山以来(かいさんいらい)、歴代住職(れきだいじゅうしょく)の墓碑(ぼひ)は15基(き)を数(かぞ)え、その内(うち)5基(ごき)が筆子塚(ふでこづか)です。寛延(かんえい)4年(ねん)(1751）没(ぼつ)の潤誉(じゅんよ)をはじめ、元治(げんじ)2年(ねん)(1865）に没(ぼっ)した喜誉(きよ)までの5人(にん)の住職(じゅうしょく)が寺子屋(てらこや)を営(いとな)んでいた様子(ようす)がうかがえます。約(やく)100年(ねん)にわたり継続(けいぞく)された例(れい)は珍(めずら)しく、寺子屋開創(てらこやかいそう)の時期(じき)は浄土院(じょうどいん)よりわずかに早(はや)かったようです。筆子(ふでこ)は潤誉(じゅんよ)の34人(にん)を筆頭(ひっとう)に10人(にん)ほどが造立(ぞうりゅう)しており、中(なか)には記銘(きめい)も見(み)える塚(つか)もあります。所在(しょざい)・所管(しょかん)：下土棚(しもつちだな)・善然寺(ぜんねんじ)

昭和(しょうわ)44年(ねん)(1969)2月8日(がつようか)指定(してい)／樹齢(じゅれい)300年(ねん)と推定(すいてい)される大木(たいぼく)があります。あたかも一本(いっぽん)の樹木(じゅもく)のように見(み)えますが、モチノキ4株(かぶ)、タブノキ3株(かぶ)、スダジイ1株(かぶ)の3種類(しゅるい)の根元(ねもと)が互(たが)いにくっつきあい、一部融合(いちぶゆうごう)した混生樹(こんせいじゅ)（寄(やど)り木(き)）です。樹高(じゅこう)10ｍ・全体(ぜんたい)の根回(ねまわり)7.5ｍにもなっている様子(ようす)は大変(たいへん)珍(めずら)しいものです。輪状(りんじょう)に植(う)えられた苗木(なえぎ)が成長(せいちょう)してこのような形(かたち)になったものと思(おも)われます。所在(しょざい)・所管(しょかん)：慈眼寺(じげんじ)

昭和(しょうわ)46年(ねん)(1976)7月5日(がついつか)指定(してい)／英名(えいめい)はクック・パイン（クック松(まつ)）。南太平洋(みなみたいへいよう)の仏領(ふつりょう)ニューカレドニア（ニューカレドニア島(とう)、イルデパン島(とう)、ロワイヨテ諸島(しょとう)）原産(げんさん)のナンヨウスギの仲間(なかま)です。英国(えいこく)の軍人(ぐんじん)・探検家(たんけんか)のジェームズ・()クックが1774年(ねん)にその植生(しょくせい)を目撃(もくげき)し、「松(まつ)(Pins)の島(しま)(Ile)」と名付(なづ)けたのがイルデパン島(とう)です。樹形(じゅけい)は柱状(ちゅうじょう)で、水平(すいへい)の大枝(おおえ)を出(だ)し、葉(は)のつきかたに特徴(とくちょう)が見(み)られ、樹皮(じゅひ)は紙(かみ)のようにはがれます。
　ここに育(そだ)っているものは、江の島植物園創設者(えのしましょくぶつえんそうせつしゃ)のサムエル・コッキングが植(う)えたもので、 江の島(えのしま)のような高緯度(こういど)の地(ち)で成長(せいちょう)しているのは珍(めずら)しく貴重(きちょう)です。所管(しょかん)：藤沢市(ふじさわし)

昭和(しょうわ)46年(ねん)(1976)7月5日(がついつか)指定(してい)／英名(えいめい)はノーフォークアイランドパイン（ノーフォーク松(まつ)）。1774年(ねん)、英国(えいこく)の軍人(ぐんじん)・探検家(たんけんか)のジェームズ・()クックが発見(はっけん)しました。ノーフォーク島(とう)（オーストラリア領(りょう)）が原産地(げんさんち)。ナンヨウスギ類(るい)の葉(は)の形(かたち)は日本(にほん)のスギにも似(に)ていますが、その祖先(そせん)はおよそ2億年前(におくねんまえ)に出現(しゅつげん)してから、その姿(すがた)を大(おお)きく変(か)えておらず、いわゆる「生(い)きている化石(かせき)」と考(かんが)えられています。ナンヨウスギ科(か)のうちでも樹形(じゅけい)が美(うつく)しく、均整(きんせい)のとれた姿(すがた)を持(も)ち、密生(みっせい)した葉(は)が日本(にほん)の杉(すぎ)の葉(は)を思(おも)わせます。所管(しょかん)：藤沢市(ふじさわし)

昭和(しょうわ)46年(ねん)(1976)7月5日(がついつか)指定(してい)／原産地(げんさんち)：沖縄(おきなわ)、九州(きゅうしゅう)南方諸島(なんぽうしょとう)、樹齢(じゅれい)：約(やく)100年(ねん)、樹高(じゅこう)：約(やく)7～8ｍ、周囲(しゅうい)：約(やく)16ｍ／タイミンチクは、“大明竹(たいみんちく)”の意(い)で、以前(いぜん)は中国大陸(ちゅうごくたいりく)の竹(たけ)と思(おも)われていたところから名(な)づけられました。イネ科(か)に属(ぞく)し、葉(は)は細長(ほそなが)くとがり、茎(くき)は束(たば)のように密生(みっせい)する特性(とくせい)があります。うっそうと繁茂(はんも)するその姿(すがた)は、ヤシ科(か)、ユリ科(か)などとは違(ちが)った趣(おもむき)の見事(みごと)な景観(けいかん)です。当園以外(とうえんいがい)には、このような大群落(だいぐんらく)は見(み)られないと思(おも)われます。所管(しょかん)：藤沢市(ふじさわし)

昭和(しょうわ)46年(ねん)(1976)7月5日(しちがついつか)指定(してい)／樹齢(じゅれい)：諸説(しょせつ)あり（300年(ねん)～700）、樹高(じゅこう)：16ｍ、幹回(みきまわり)：6.83ｍ／清浄光寺(しょうじょうこうじ)の大(おお)イチョウは、境内中央(けいだいちゅうおう)にあって名木(めいぼく)と呼(よ)ばれるのにふさわしい立派(りっぱ)なものです。一部(いちぶ)に乳状突起(にゅうじょうとっき)も見(み)られ、その古(ふる)さを物語(ものがた)っています。かつては高(たか)さ約(やく)31ｍに及(およ)ぶ雄大(ゆうだい)な姿(すがた)を誇(ほこ)っていましたが、昭和(しょうわ)57年(ねん)(1982)8月(がつ)の台風(たいふう)で主幹上部(しゅかんじょうぶ)が折(お)れてしまったのが惜(お)しまれます。四季(しき)を通(つう)じて人々(ひとびと)の目(め)を楽(たの)しませ、とりわけ晩秋(ばんしゅう)の黄葉(こうよう)は実(じつ)に見事(みごと)で、美(うつく)しく色(いろ)づいた姿(すがた)を見(み)せてくれます。所在(しょざい)・所管(しょかん)：清浄光寺(しょうじょうこうじ)（遊行寺(ゆぎょうじ)）

昭和(しょうわ)48年(ねん)(1973)3月7日(がつなのか)指定(してい)／タブノキ（1株(かぶ)）樹齢(じゅれい)：約(やく)300年(ねん)、樹高(じゅこう)：約(やく)18ｍ、幹回(みきまわり)：約(やく)6.1ｍ／大庭台地(おおばだいち)の畑地(はたち)の中(なか)に悠然(ゆうぜん)とかまえて立(た)つタブノキ2株(かぶ)、それをとり囲(かこ)んでヒサカキ・ヤブツバキ・ケヤキ・ムクノキ・エノキ等(とう)が混生(こんせい)して、美(うつく)しい森(もり)を形成(けいせい)しています。この森(もり)を代表(だいひょう)するタブノキの1株(かぶ)は、見事(みごと)に均整(きんせい)のとれた雄大(ゆうだい)な姿(すがた)で、市内随一(しないずいいち)の巨木(きょぼく)と思(おも)われ、“タブの森(もり)”といってもいいほどの貫録(かんろく)を保(たも)っています。森(もり)の中央(ちゅうおう)には古(ふる)い稲荷(いなり)の社(やしろ)があります。昭和(しょうわ)59年(ねん)(1984)県選定(けんせんてい)「かながわの名木(めいぼく)100選(せん)」に“臺谷戸稲荷(だいやといなり)のタブノキ”が挙(あ)げられています。所在(しょざい)・所管(しょかん)：大庭(おおば)・稲荷神社(いなりじんじゃ)