製作時期:明治8年。
板元:山清(山崎屋清七)
三代広重描くこのシリーズは、明治前期の東海道各宿駅の風景が華やかな色彩(幕末から明治初期に海外からあざやかな科学顔料が入り使用される)で描かれています。
筆捨山(岩根山)は、素晴らしい絶景に、狩野元信(法眼)が描けなくて筆を捨てたという逸話のある山です。法眼とは、出家した絵師に与えられた位のことです。捨てられたその筆を拾って本図を描いたのは、ただの絵師であるという詞書きが添えられています。
茶屋の縁台に座って、絶景を眺めて一服している旅人たちが描かれています。縁台にはさりげなく、洋傘が立てかけられていています。