制作 1931年 定山渓鉄道
初三郎の鳥瞰図の中には、現代には残ってない幻となった名所や鉄道も描かれており、本図もその一つです。定山渓鉄道は国鉄千歳線・東札幌駅から定山渓温泉を結び、かつて自然豊かな景色や温泉、スキー場といった観光地を網羅しています。さらに、鉱石や石炭、木材輸送にも大きく貢献しましたが、昭和 44 年(1969)に全線が廃止されています。
本図の裏(土地に関する解説ガイドのような文章が書かれている)にある初三郎の「絵に添えて一筆」(解説ガイドの一角を占める鳥瞰図を描いた絵師によるコーナー)には、初めて初三郎がこの地を訪れた頃はまだ定山渓鉄道が建設途中であったものの、十数年後に訪れると鉄道が完成し、活気溢れる観光地へと発展した光景に感激を受けた旨が記されています。