これは『役者見立東海道五十三駅』というシリーズです。
このシリーズは、全部で一四〇点確認されています。
作者は三代豊国、とても人気の高かった絵師です。
背景には宿場の風景が描かれており、手前の人物は、宿場と関わりのある歌舞伎の登場人物です。
また人物は、有名な役者の似顔絵で描かれています。
十返舎一九の『東海道中膝栗毛』は江戸時代に人気を博し、歌舞伎演目の題材にも取り入れられました。
府中は喜多八が描かれています。演じる役者は初代市川広五郎です。外題の短冊枠には、(府中の)名物である安倍川餅が描かれています。