江戸後期の「有卦絵」というおめでたい浮世絵です。有卦絵の名前の由来は陰陽道の干支に元づく幸運が訪れやすい年回りを「有卦」といい、七年間吉事(幸運)が続くとされています。民衆宗教のなかで有掛の周期入りした人が知人や自分の幸運のために有卦絵を贈りあう習慣や家に飾る風習がありあました。
福を呼び込むため「ふ」の字で始まる日用品や吉物が描かれました。こちらの作品では七福神が宝船に乗り「ふ」の物と描かれています。右から毘沙門天と「ふく寿艸(草)」、布袋と「ふくろ」、恵比寿と「ふご(畚)」、「南極老人星」の二柱、福禄寿と寿老人、が一人ずつ「ふえ(笛)」と「文ひろげ」、弁財天と「ふで(筆)」、そして大黒と「ふたまた(二股大根)」がそれぞれ描かれています。さらに、「ふ」ではじまる舟唄が宝船の形をとり書かれています(例:絵図中心から右に書かれている「… ふそくなき 出世の えん(縁)…」。