遺跡
解説
江の島は、藤沢市域の南端に位置し、市内では最古の地層である新生代第三紀(約1500万年前)の葉山層を基盤とした標高約60mを測る丘陵地です。藤沢市内では、350個所を超える遺跡が確認されていますが、江の島では、これまでに次のとおりの3個所の遺跡が確認されています。江ノ島神社境内遺跡(江島神社中津宮付近)では、 1959 年(昭和 34 年)、エスカーの建設工事中に、古墳時代の円筒埴輪片や中世のかわらけが発見されています。
また、№56遺跡(江島神社奥津宮付近)では、縄文時代のものと思われる石斧(せきふ)が表面採集されています。
さらに、江の島の頂上部にある江ノ島植物園内遺跡では、縄文時代早期の住居をはじめ、土器や石器などの生活道具が発見されています。
江ノ島植物園内遺跡住居跡確認状況 |
江ノ島植物園内遺跡の解説
江ノ島植物園内遺跡は、江の島の頂上部、標高60mを測る旧江ノ島植物園内にあります。 1951 年(昭和 26 年)、旧展望灯台の建設工事の時に、縄文時代早期などの土器片や石器などが採集され、この地点が遺跡であることが確認されました。
2002 年(平成 14 年)には、現在の新しい展望灯台の建設工事にともなって発掘調査が行われ、縄文時代早期(約 9000 年前)を中心とする土器や石器などの遺物とともに、住居や集石(しゅうせき)などの遺構が確認され、この地が人びとの生活の場であったことが明らかにされました。
発掘調査で確認された江ノ島植物園内遺跡の主な遺構と遺物
縄文時代早期 |
竪穴住居(20軒)
集石遺構( 1 基)
焼土址( 3 基)
土坑( 2 基)
ピット( 43 基) |
縄文土器( 1,219 点)
石器( 1,238 点)
打製石斧・礫器・局部磨製石斧・石鏃
磨製石斧・尖頭器・敲石・磨石・石皿
凹石・台石・剥片・二次加工剥片
石核・加工礫
礫( 12,366 点) |
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江ノ島植物園内遺跡一覧
沈線文土器
条痕文土器
押型文土器
沈線文・縄文土器
打製石斧・局部磨製石斧
1号住居跡
2号住居跡
3号住居跡
集石遺構
屋外炉
夏島式土器
夏島式土器
夏島式土器
夏島式土器
三戸式土器
押型文土器
押型文土器
押型文土器
押型文土器
礫器
打製石斧・局部磨製石斧
磨製石斧
磨石
石皿
石皿
尖頭器
石鏃
剥片・石核