製作時期:天保14年(1843)~弘化4年(1847)。
版元:伊勢屋市兵衛
石部は、「お半長衛門」の通称で知られる『桂川連理柵』の舞台となっています。
14歳の娘・お半は、伊勢参りの際に隣家に住む38歳の長衛門と偶然出会い、同じ宿に泊まったのを機に契り(関係)を結び、その後二人は桂川で心中します。
年若い少女の風貌で描かれているのがお半を表しているものと思われます。朝、寝起きに、房楊枝で歯を磨く姿が描かれています。前髪の赤い小布が幼さを印象付けています。
このシリーズは、初代広重、三代豊国、国芳の3人の当時代表的人気浮世絵師が分担して描いたものです。
風景は少なく人物を主とし、下3分の2が画面で、それぞれの宿にちなんだ伝説、史跡、著名な出来事等を描き、上3分の1に下の絵の説明がなされています。