大坂・綿屋喜兵衛版 天保~嘉永(1830-1854年)頃
東海道の道中双六には、様々な要素が取り込まれましたが、享和2年(1802年)に出版された十返舎一九の『東海道中膝栗毛』が大流行すると、その内容を盛り込んだ双六が多く現れました。この双六もその一つで、それぞれのマスに描かれている情景が、『膝栗毛』のワンシーンであったり、出発地が東海道の起点の日本橋ではなく、『膝栗毛』の主人公が住む神田八丁堀になっていたりと、随所に物語と双六の内容を関連づけるような工夫が見られます。出版(版元)の綿屋喜兵衛は大坂の本屋で、作者(絵師)の歌川国升も大坂の浮世絵師です。