製作時期:万延元年(1860)。
板元:當世屋(品川屋久助)
店の看板に「鯰の蒲焼」とかかれています。江戸時代にはナマズも一般的に食べられていたようです。画中のナマズがとても大きく描かれていますが、これは大津の土産物として有名だった大津絵から発展した鯰絵を意識したものと思われます。
このシリーズは大ヒットした十返舎一九の『東海道中膝栗毛』を摸して作られています。各宿には弥次さん、北さんが登場し、芳幾が二人のくりひろげる道中模様をユーモラスに描き、魯文が各宿のテーマとなる文章、狂歌一句と二人の会話をおもしろおかしく記しています。