製作時期:慶応元年(1865)。
板元:相ト
このシリーズは全版を通し右上部に描かれた扇の中に末廣五十三次と書かれているため「末広東海道」と呼ばれています。慶応元年五月に将軍家茂は、第二次長州出兵のため、江戸を出発しました。「末広東海道」は、この時に将軍に付き従って上洛する幕府軍の姿を各宿の風景の中に描いたものです。
芳年、二代国輝、三代広重等、幕末を代表する浮世絵師が各宿を分担しています。
画は藤沢宿を過ぎて南湖の松並木の中を行く行列で、構図は松のかたちまで、初代広重描く「竪絵東海道」のものとほとんど同じです。