制作時期:不明。
落款なし
泥絵とは、泥絵具という粗悪な顔料に胡粉を混ぜた絵具で描いたもので、宝暦頃を最初として、19世紀前半頃まで職人画工の手で作られた遠近法を主体とした洋風表現の強い絵のことです。
眼鏡絵として制作されたものが多いので、銅版や木版で制作された作品以外の肉筆眼鏡絵を泥絵と称する場合もあります。この絵も左右逆影に描かれており、のぞき眼鏡用に制作されたものであることがわかります。
作品としては、中国やオランダから渡来した「覗きからくり」のための絵を宝暦年間(1751-1764年)に円山応挙が制作したのが最初のものと言われています。