本図は大阪で発行された双六です。振り出しのコマには「西京」と書いてあり、京から日本橋を目指して進みます。
こまの図には洋装の人々や汽車など近代的な題材も多く取り上げられていますが、各宿場の名所・名物など江戸時代からの主題も描かれています。日坂のコマのように両方の要素を兼ね備えた描写のこまもあります。日坂のこまには江戸時代の東海道五十三次でもよく描かれた街道の名物「夜泣き石」が描かれています。夜泣き石を見物している男性二人は洋装で、江戸時代の画題を踏襲しながらも近代的に描かれています。
上がりのこまにはそろいの着物を着た七福神が小判の降る中、踊っている様子を描いています。まるでゴールを祝ってくれているようです。