Fujisawa Net Museum

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制作(せいさく)時期(じき):嘉永(かえい)6(ねん)安政(あんせい)3(ねん)(1834~1856)。
板元(はんもと):越平(こしひら)

越村屋平助(こしむらやへいすけ)から出版(しゅっぱん)された「六十余州名所図会(ろくじゅうよしゅうめいしょずえ)」は、玄魚(げんぎょ)の「大日本(だいにっぽん)六十余州(ろくじゅうよしゅう)名勝図会(めいしょうずえ)」の目録(もくろく)大判(おおばん)錦絵(にしきえ)(たて)1(まい)の70(まい)(いち)()みからなる大作(たいさく)で、嘉永(かえい)6(ねん)安政(あんせい)3(ねん)(1853-1856(ねん))にかけて刊行(かんこう)されています。

この六十余州(ろくじゅうよしゅう)代表(だいひょう)されるように弘化(こうか)元年(がんねん)から安政(あんせい)5(ねん)(1844-1858(ねん))まで、広重(ひろしげ)48(さい)から62(さい)(ぼっ)するまでの作品(さくひん)(おお)くは(たて)(ばん)で、(とく)晩年(ばんねん)にあたる安政(あんせい)()のシリーズ「五十三次(ごじゅうさんつぎ)名所図会(めいしょずえ)」、「冨士三十六景(ふじさんじゅうろっけい)(など)で、(よこ)(ばん)とはまた一味(ひとあじ)(ちが)効果(こうか)情趣(じょうしゅ)表現(ひょうげん)しようとしたあとがうかがわれます。(かれ)は「名所江戸百景(めいしょえどひゃっけい)」の(ぞく)(かん)(ちゅう)(やまい)(たお)れ、安政(あんせい)5(ねん)9(がつ) 6()未明(みめい)62(さい)生涯(しょうがい)()じています。

辞世(じせい)は「車路(くるまじ)(ふで)(のこ)して(たび)(そら)西(にし)御国(おくに)(めい)ところを見舞(みまい)」とあり、死後(しご)もなお名所絵(めいしょえ)意欲(いよく)()やす風景(ふうけい)絵師(えし)広重(ひろしげ)らしい(うた)です。

歌川広重 六十余州名所図会 相模江之嶋岩屋ノロ

六十余州名所図会(ろくじゅうよしゅうめいしょずえ) 相模(さがみ)()()(しま)岩屋(いわや)()(くち)

奈智(なち)(たき)祈誓(ちかいの)文覚(もんがく)」は九代目(きゅうだいめ)市川(いちかわ)団十郎(だんじゅうろう)によって明治(めいじ)22(ねん)(1889)6(がつ)中村座(なかむらざ)上演(じょうえん)されました。(あやま)って同僚(どうりょう)(つま)(ころ)してしまった遠藤(えんどう)盛遠(もりとお)出家(しゅっけ)文覚(もんがく)となり、厳寒(げんかん)那智(なち)(たき)荒行(あらぎょう)(おこな)っていると、矜羯羅(こんがら)童子(どうじ)(せい)多伽(たか)童子(どうじ)(したが)えた不動明王(ふどうみょうおう)(あらわ)れます。演目(えんもく)では、団十郎(だんじゅうろう)(えん)じる文覚(もんがく)那智(なち)滝壺(たきつぼ)()()み、早替(はやがわ)りで不動明王(ふどうみょうおう)になるという演出(えんしゅつ)(おこな)いました。九代目(きゅうだいめ)団十郎(だんじゅうろう)成田山(なりたさん)信仰(しんこう)()()ぎ、不動明王(ふどうみょうおう)(えん)じる(さい)成田山(なりたさん)新勝寺(しんしょうじ)参詣(さんけい)自筆(じひつ)不動明王(ふどうみょうおう)(ぞう)寄進(きしん)(お(てら)神社(じんじゃ)(もの)金銭(きんせん)寄付(きふ)すること)していました。

奈智(なち)(のたき)祈誓(ちかいの)文覚(もんがく)

粉河寺(こかわでら)縁起(えんぎ)絵巻(えまき)写本(しゃほん)です。粉河寺(こかわでら)とは現在(げんざい)和歌山県(わかやまけん)()川市(かわし)粉河(こかわ)にあり、日本(にほん)最古(さいこ)観音(かんのん)巡礼(じゅんれい)とされる西国(さいこく)三十三所(さんじゅうさんしょ)巡礼(じゅんれい)(だい)(ばん)霊場(れいじょう)です。粉河寺(こかわでら)本尊(ほんぞん)にまつわる縁起(えんぎ)で、観音堂(かんのんどう)設立(せつりつ)された由来(ゆらい)河内(かわち)長者(ちょうじゃ)(むすめ)(やまい)観音(かんのん)菩薩(ぼさつ)化身(けしん)(いや)し、(ふか)感謝(かんしゃ)した一族(いちぞく)粉河寺(こかわでら)別当(べっとう)寺社(じしゃ)管理(かんり)する役職(やくしょく))になったという霊験(れいげん)物語(ものがたり)(えが)かれています。 展示(てんじ)されているのは、京都(きょうと)()まれの日本(にほん)画家(がか)猪飼(いがい)(しょう)(こく)(1881-1939)によって(うつ)されました。人々(ひとびと)信仰(しんこう)(えが)いたものとして貴重(きちょう)資料(しりょう)のひとつです。

粉河寺(こかわでら)絵巻(えまき)写本(しゃほん)



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