制作時期:天保初期頃。
板元:伊世利
江の島を描いた作品にはこの名所八景の他に「和国名所江ノ島全勢揃鶴屋内かしく」(大判錦絵縦1枚)があるだけです。またこの名所八景シリーズには「名所八景」の画題を「名所八景」と草書体で記した2種類があります。
いずれにしても二代豊国の代表的な作品であるこの八景のうち「大山夜雨」とならんで、この作品は最もすぐれたものといえましょう。
名所八景とは1.「大山夜雨従前不動頂上之図」、2.「冨士暮雪 下仙元従宮中宿全図」、3.「三保落雁 駿州清見寺吉原宿遠望」、4.「玉川秋月 玉川鮎汲の図」、5.「熱海夕照 熱海ヶ浜より大島之真景」、6.「江島晴嵐 小由留木の磯もろこしが原」、7.「鎌倉晩鐘 鶴ヶ岡より房州の山の図」、8.「金沢帰帆 従瀬橋野島之図」です。