製作時期:嘉永4年(1851)~嘉永5年(1852)。
板元:村市(村田屋市五郎)
着物姿の女性たちを手前に、品川沖を眺める風景が描かれています。
流通の要であった品川沖を示すかのように大八車(木製の荷車)が置かれており、その傍らには子犬が描かれています。
歌川広重は、生涯で20種以上の東海道シリーズ作品を手がけました。
今回展示する「五十三次」は、広重の円熟期にあたる嘉永5年(1852)頃に刊行された東海道五十三次です。
このシリーズ作品は、東海道の風景を背景にして、人物の描写が大きく扱われていることから「人物東海道」とも呼ばれています。